Colors of the Wind
『Colors of the Wind』ディズニー映画「ポカポンタス」の主題歌です。
もともとは17世紀初頭のアメリカに実在した先住民族の女性「ポカホンタス」にまつわる歴史的逸話や伝説をもとに制作された作品です。
酋長シアトルからのメッセージとも共通する自然観・生命観を描いています。
楽曲は、西洋の価値観を基準に「未開」と決めつけるジョン・スミスの傲慢さをやさしく、かつ鋭く諭す対話から始まります。
・自然の生命性とアニミズムの視点
「大地をただ所有可能な無機物と捉える」西洋的な開拓・支配精神に対し、ポカホンタスは「岩も木もすべての生き物にも魂や命、名前がある」と説きます。
自然を搾取の対象としてではなく、命を宿した対等な存在として見るネイティブ・アメリカン的世界観が中心に据えられています。
・他者への共感と先入観の脱却
自分と同じ姿や考えを持つ者だけを「人間」とみなす狭い視野を指摘し、「見知らぬ他者の足跡をたどって歩いてみなければ、知るはずのない世界がある」と語りかけます。
人種や文化の違いによる分断を乗り越え、互いの立場を理解することの重要性を訴えています。
・生命の環(つながり)
動植物や川、風を「友」や「家族」として捉え、すべての存在は終わりなき循環の中で結びついていると表現されます。
「風の色で絵を描く」という問い
曲の象徴的なリフレインである「目に見えない風の色を感じ取り、共に描くことができるか」という問いかけは、五感と心を開いて自然の機微を受け止める姿勢を意味しています。
「地球上のすべての土地を手に入れたとしても、風の色を感じ取れる心がなければ、手元に残るものはただの土の塊に過ぎない」という結びの言葉に、物質的富や領土拡大の虚しさが凝縮されています。
『Colors of the Wind』
作詞:スティーブン・シュワルツ(Stephen Schwartz )
作曲:アラン・メンケン(Alan Menken)
あなたは思ってる
上陸した地は何でも自分のものだと
その地は死んだものだから
自分のものにできると
でも私は知ってる
どんな岩も 木も 動物も
命を 魂を 名前を持ってるの
あなたは思ってる
人々と認められるのは
見た目も考え方も
あなたと似た人々だけだと
でも もしあなたが
見知らぬ者の視点から世界を見れば
分かるはずよ
今まで決して知らなかったことが
聞いたことがある?
9月の青白い月に向かって
オオカミが吠える声を
なぜ怪しく笑うのか
ヤマネコに尋ねたことは?
山から聞こえる声に合わせて歌える?
すべての風の色を使って絵を描ける?
すべての風の色を使って絵を描ける?
駆け抜けてみて
森の中に隠れた松の小道を
味わってみて
太陽で甘く育った木の実を
辺りの豊かな自然に飛び込んでみて
一度だけでも その価値なんか考えずに
嵐や川は私の兄妹
アオサギやカワウソは私の友だち
そして私たちはみんな
お互いに繋がってる
決して途切れない円の中で 輪の中で
シカモアの木はどれだけ高く育つ?
切り倒してしまったら 二度と分からない
決して聞くことは無いでしょう
9月の青白い月に向かって
オオカミが吠える声を
肌が白でも褐色でも
歌わなければならない
山からの声と共に
描かなければならない
すべての風の色で
土地を自分のものにしても結局
手にしたのはすべて土の塊よ
すべての風の色で
描けるようになるまではね
(世界の民謡・童謡より)